急速にリモートワークが広がり、今やチャットやWEB会議システムなどの社内コミュニケーションツールの活用が欠かせなくなっていますが、職場内のコミュニケーションは円滑に取れていますでしょうか。社員がそれぞれ異なる環境で業務を進めていかなければならない中、実際に社内コミュニケーションに課題を感じている企業様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。定期的にミーティングをしているからといって、きちんとコミュニケーションが取れているとは限りません。本記事では、リモート環境での働き方にスポットを当てて、社内コミュニケーションの課題と活性化するための具体的な方法について解説いたします。
リモート環境におけるコミュニケーションの課題
これまでオフィス勤務では、社員同士が同じ空間、同じ場所にいたため、相手の表情や態度などから相手の真意や感情を感じ取ることができ、おおむねスムーズな意思の疎通ができていました。しかしリモート環境下では、「あえて時間をとり、あえて言葉にして相手に伝える」必要があるため、今までよりもコミュニケーションのハードルが上がったと言えます。その場で直接聞けばすぐ終わる話でも、わざわざ電話をかけたり、文章に書いてメッセージしたりと、一手間かかるため、コミュニケーションがおっくうになってしまいがちです。また、以前のように気軽な会話や雑談をする機会が減り、コミュニケーション内容が業務に関するものに偏っていく傾向があります。結果として、お互いの人となりを理解するための時間が減り、連携がとりにくくなってしまいます。雑談をすることもなく黙々と仕事を続けなければならない環境では孤立感を感じやすく、自分が「会社の一員である」という帰属意識が低下し、かつてあった職場の一体感も失われていく可能性があります。そして、それは社員の業務へのモチベーションや生産性の低下を招き、ひいては早期離職にもつながりかねません。
コミュニケーションを活性化するための方法
弊社ではリモートワークを導入して以来、さまざまな方法で社内コミュニケーションの活性化を模索してまいりました。当初は1on1ミーティングやチームミーテイングを頻度ばかり高めておこなっていた時期もありましたが、業務進捗や各自の活動共有に終始していたため、職場の一体感の醸成は図れませんでした。そこで、これまでの経験を踏まえて3つの改善策をご紹介いたします。
1.頻度を変える
定期的にコミュニケーションをとれる場を作るべく、週次、隔週、月次、四半期ごとなど頻度の違う定期ミーティングを設定。それぞれ目的を変えて、1対1、チーム、部署、会社全体など規模の違った情報共有の場を設けました。ここには経営層の方針や意図をしっかりと伝える場も組み込まれています。
2.内容を変える
業務の進捗や予定・タスクを共有するミーテイングとは別に、悩み事や相談事、チームやマネージャーに対するフィードバックやアイディア・意見を話せる場を作ったり、業務外での出来事を聞くカジュアルなコミュニケーションの場を設定したりする。他部門との連携を深めるため、それぞれの部門が担っている業務を報告し合う場を設けました。
3.方向を変える
これまではマネージャー対メンバーの構図で「タテ」のコミュニケーションになりがちでしたが、メンバーが主体となる「ヨコ」のコミュニケーションの場(お悩み相談会)を設けました。すると、関心がチームメンバー同士に向き、自分事として捉えアドバイスをしたり積極的に発言する環境が生まれたりして、チームの一体感の向上にもつながりました。
リモートワーク下で自分の会社やチームには一体感がないと感じることがあるかもしれません。しかし、まとまりのない状態でも、正しく時間をかければ一体感のある組織にすることは可能です。
少しの工夫でチームの一体感の醸成は図ることができます。社内コミュニケーションを活性化し、個々のモチベーションが上がることで職場が活性化され、その結果、サービス品質や売上の向上も期待できるようになります。そして利益の向上は、新たな投資や社員への還元などを可能とし、企業のさらなる成長につながっていくのです。
ぜひ、社内コミュニケーションを見直す機会を作っていただき、企業の環境にも合いそうな施策があれば、試していただけましたら幸いです。
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