ここ最近、当社で担当しているお客様からも下記のようなお話をお聞きすることが多くなってきました。
●マレーシアから採用していたスタッフの数が激減したことにより、採用難度が上がった。(注1)
●ナショナルスタッフの競合や異業界への転職が目立つようになった。
●希望給与が上がってきており、既存スタッフとのバランスをとるのが大変、予算内での人材が採用できない。
(注1:シンガポールはレストランから半導体産業まで、マレーシア南部に大きく依存しており、コロナ禍前には多くのマレーシア人が国境を越えて通勤していましたが、コロナ禍により両国間の出入りが厳しく制限される状況が長期化しています。)
質問1.この1年を振り返った際、御社の定着率はいかがでしたでしょうか。
⇒退職者はいなかった
⇒10%以下に収められた
⇒30~50%の退職をした
⇒ほとんどのスタッフが退職をした
質問2.退職者が出ている場合、退職理由の傾向分析はいかがですか?
⇒常日頃行っており、リテンション・マネジメントに生かしている
⇒正直、目の前の退職率の改善で手一杯
とある企業のマネージングディレクターからは、このような採用のお話を頂きました。
その方の性格上、ストレートにものを言いすぎる癖や時折配慮の足りない対応をすることがあり、それが原因で退職したスタッフもいたそうで、今後はこの方は営業数字やブランディングなど、よりオペレーションに近い業務を担当することにして、リテンション管理・人材開発・社内調整役を担ってもらえる人材を新たに採用することになり、人材採用のご依頼をいただきました。
人間関係の悪化による退職も無視できない問題です。業務内容や労働条件に不満がなくても、人間関係のトラブルはストレスが溜まります。その改善には、適切な人材配置や職場コミュニケーションを円滑にするなどの対策が必要になります。
また、シンガポール政府はシンガポーリアン・コアを謳っていますので、引き続きビザの取得が難しく、ナショナルスタッフでの社員構成が求められ、即戦力になり得る人材の採用難度はますます上がっていくと思われます。
このような状況下で、既存スタッフのリテンション対策は企業にとってより重要なものになってくることでしょう。
これまでは従業員向けの能力開発、福利厚生の充実を図ることで、定着率を高められると言われてきましたが、それ以外の施策を導入する企業も増えてきています。
例としては、フレックス制の導入、業務効率化を話し合うプロジェクトチームの発足、メンター制、グループにおける言語共通化、昇給昇格・インセンティブの頻度増加など様々ありますが、企業によってはいずれもすぐに取り入れることは難しいかも知れません。
その場合は、この1年の退職傾向の分析を行い、問題点を洗い出し、マネージメント内で認識を共有することで、適切な施策を実施すること、1%でも定着率を上げることができる可能性があります。
リテンションはビジネスを成功させる上での大きな課題の一つです。
改めて、今年1年の定着率や退職傾向について、マネージメントと人事で振り返りをしてみるのはいかがでしょうか。
最後に、自社の既存スタッフの給与相場がマーケットに比べてバランスが取れているのか、特にマレーシアからの人材が不足している今、どのような人材が市場にいるのか、ご自身のリテンションのためにもマーケットバリューについて相談してみたいなど、何かございましたら是非私共コンサルタントへお声がけくださいませ。
【JACリクルートメントよりご挨拶】
本年も大変にお世話になりました。
今後も御社のビジネスが快活であるよう、弊社も精一杯お力添えができればと思っております。
新年も皆様にとって、輝かしく健康な一年でありますよう心よりお祈り申し上げます。
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