近年、シンガポールでは、外国人就労ビザの取得基準が厳しくなっており、直近2年前にも変更があったばかりですが、政府はこの度、今年9月から更なる最低基本月給額の引き上げを発表しました。
またこれに加えて、2023年9月からは新たなポイント制度「COMPASS(コンパス)」を追加導入する意向を明らかにしました。
9月のEP/Spass発給基準の改定、および新しく導入されるポイント制度について解説いたします。
1.EP(エンプロイメントパス)/Spass発給基準の改定 2022年9月から
■EP(エンプロイメントパス)取得にあたり必要となる最低基本月給額
■Spass取得条件
※Spass条件は更に、2023年9月1日からS$3,150へ、2025年9月1日からはS$3,300へと段階的に引き上げられる見通し。
※EP、Spassの更新については、2023年9月1日より適用となります。
2.EP(エンプロイメントパス)の審査に新たなポイント制度「COMPASS」を追加導入 2023年9月から
シンガポール人材開発庁(MOM) は、EP (エンプロイメントパス) の審査にあたり、上述の最低基本月給額の基準を満たしていることに加えて、2023年9月からはポイント制度「COMPASS (コンパス) 」の評価を追加導入することを発表しました。
(EP更新については、2024年9月1日より適用)
■ポイント制度「COMPASS」とは?
「C1:給与」・「C2: 学歴」・「C3: 国籍多様性」・「C4: ローカル雇用の促進」の4項目の基準で評価する制度で、
追加項目として「C5: スキルボーナス(人材不足職種リスト)」・「C6:戦略的経済優先ボーナス」がボーナスポイントとして加算されます。
それぞれの項目の期待値に対する達成度に応じて、20、10、0ポイントのいずれかが付与されます。
EP申請には、このポイント制度において合計40ポイント以上を取得する必要があり、併せて最低月給額の基準を満たすことが申請条件となります。
※詳細についてはMOMのホームページをご確認ください。
[審査項目]
PMET=Professionals, Managers, Executives and Technicians
[評価ポイント]
[評価基準]
「COMPASS」の免除
候補者が以下の条件のいずれかを満たす場合、COMPASSの適用を免除されます。
月給20,000ドル以上の固定給の人、企業内転勤者(ICT, Intra Corporate Transferee)または、短期間(1ヶ月以内)の職務の方。
近年、シンガポールではシンガポーリアン・コア政策が強化されており、このポイント制度「COMPASS」の導入もそれを推し進める上での新たな施策と思われますが、
企業にとっては外国人雇用のハードルがさらに上がることになり、採用計画の見直しや今まで以上に現地化に向けた対策を取る必要が出てくる可能性があります。
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